膝の上で眠る雪之丞の背中を撫でながら
年末のお礼参りのことを考えている
雪之丞はペキニーズ
仙台のペットショップから連れてきて
12年半が過ぎようとしている
3か月前から口に腫瘍ができてしまい
ここ数日食べることもままならず
今週にはおそらく息を引き取るだろう
彼と出会い、一緒に過ごせたことへのお礼に
塩釜神社へ行こうと思っている
ここにお参りに行くときはいつも
仙台駅から祖父母や伯父らのお墓参りを済ませたのち
塩釜神社の東参道(裏坂)入口に向かう

鳥居をくぐった正面に
坂の石段に携わった人たちを刻んだ大きな石碑があり
そのひとりに曾祖父の名がある
なだらかで穏やかな気持ちになれる石段を登る
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そのまま手水舎、東神門をくぐり
本殿に入る


ここで祈祷をお願いする
お参りの後、志波彦神社の前で
遠くに見える塩釜湾を眺める
ここに立つと一緒にこの風景を眺めた父を思い出す
大好きだった海に続く遠景がそこにあります
父は仙台市内で生まれ育ったが
途中、家業の都合で塩釜の縁者に預けられ
ここで育ったことに強い感謝の念を抱いていた
東京の生まれである私もまた
その縁で知ったこの地に愛着を抱き
家族の節目には必ずここを訪れてきた
今年もあと3か月
いろいろなことがあったが
静かにお礼を述べるには
家族のルーツとしてここが最もふさわしいと思っている

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