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ミュージカルソングへの誘い
No.57 Stan’Up An’Fight! 闘牛士の歌
脚本・作詞:オスカー・ハマースタイン
作曲:ジョルジュ・ビゼー
“Carmen Jones カルメンジョーンズ” 1943
曲への想い
オスカー・ハマースタイン2世の脚本で、1943年初演のミュージカル。オペラ「カルメン」を原作にして、ビゼーの音楽がそのまま使われている。
第二次世界大戦中のアメリカ南部の黒人社会が舞台となっている。
1954年には、映画化。カルメンにドロシー・ダンドリッジ、ジョーにハリー・ベラフォンテが演じた。
今回、演目としてはオペラ「カルメン」を歌いたいという思いが強く、オペラの日本語とフランス語のミックスで歌わせてもらった。
ミュージカル映画でのハリー・ベラフォンテも情感に満ちた歌いぶりに惹かれるが、オペラ版でのバリトンの代表的人気歌手であるルドヴィック・テジエには脱帽だった。
さびの部分をフランス語にこだわったのも彼の影響からだった。
滑らかにどこで息継ぎをしているのかわからない・・その奥深い表現力には遠く及ばないが、ルトヴィック・テジエになれたような幻覚が見えただけでも歌を続けていて良かったと思えた。
日本語の部分でもはじめはうまく捉えられず苦心したが、こちらも回を重ねることで何とか克服した。
堀内敬三氏の詩は、はじめはとっつきにくいが、徐々に慣れ親しんでいった。
リズカルに歯切れよくメリハリをつけて発声していると、この詩が良く似合っていることがわかって歌ってみないとわからない境地を得た気がする。
どこで息継ぎをしているのかわからないように、時には大きく息を吐き出すようにしてみたり、聞く人をはっとさせるような演出も大事なことと教えてもらった。
そして歌い終わった後、やけに腹筋が硬くなった気がした。
Lyrics
友よ 祝いの酒を
愉快にいざ飲もうよ
われらみなたたかいに
命をかけるつわものだ
見よや 闘牛の場は
針を立つ余地もなく
わきおこる 歓呼の声
ともにどよめく 幾万の人
手を打ち 足を踏み
たがいにひしめく
今日こそ待ちに待ちたる
武勇の祭りぞ
ゆけ 今だ さあ ゆけ ああ
Toréador, en garde!
Toréador! Toréador!
Et songe bien, oui, songe en combattant,
Qu’un œil noir te regarde
Et que l’amour t’attend, Toréador!
L’amour, l’amour, t’attend!
突如 さけびは消え
人々は手に汗をにぎる
おそいかかる 手負いの牛
まんいちもんじ ものすごくも
必死の体当たり
馬もろとも勢子を突き伏す
巻きおこる さけびのなか
見よ 牛は血にくるい はせめぐり
さいごのおめきたかく
かかれば砂はみな血みどろ
勢子らが避けてしまえば
あとはひとりだ
ゆけ 今だ さあ ゆけ ああ
Toréador, en garde!
Toréador! Toréador!
Et songe bien, oui, songe en combattant,
Qu’un œil noir te regarde
Et que l’amour t’attend, Toréador!
L’amour, l’amour, t’attend!
Toréador! Toréador!
L’amour t’attend!
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